【第1回】言葉の綾【百人百話】

今回より毎月更新のコラムを掲載いたします。
税理士として、そして一人の物書きとして発見・気付きを綴ります。
よろしければお付き合いください。

言葉の綾

『十人十色(じゅうにんといろ)』

同じ人間でも別々の趣味・嗜好があり、物事に対する想いも考え方も、一様ではありません。
たとえば、奈良興福寺の阿修羅像の前に立って、
「静謐な御姿」「永遠の美」「怒りの形相」など既成の言葉で感想を述べてみても、
所詮、仏像そのものの内に秘めた心情や語りかける言葉は誰も知ることは出来ません。
物象に対しては人さまざまな想いや考え方があっていいのです。

人間社会においては言葉は重要なコミュニケーションの手段です。
使い方によっては有情や憎悪の基となります。

「言葉の綾」とは巧みな言葉の使い方で最近のテレビの諸々事件の記者会見など聞いておりますと、
政治家は”言葉の綾”によって言い逃れがうまい。優秀な部下の原稿を丸読みしているからでしょう。

話題のビックモーターの社長の記者会見はひどかった。
加害者でありながら被害者のようなコメントで、
”言葉の罠”にはまっていたのに、記者団の追及の甘さに物足りなさを感じました。
本件の被害者を記者会見の会場に出してほしかった。

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