【第3回】獺祭忌(だっさいき)【百人百話】

獺祭忌(だっさいき)

9月19日は近代俳句の改革者、正岡子規の命日です。
子規は生前に”獺祭書屋主人”と呼称されていたことから、この日を”獺祭忌”としました。

”獺祭”酒好きの人には、どこの居酒屋でも眼につく、純米大吟醸の一升瓶を思い浮かべることでしょう。
山口県岩国市の旭酒造の銘酒です。
”獺”は小動物の「かわうそ」のこと。
かわうそは、川で仕留めた獲物を川べりに並べる習性があることからこれを”祭りごと”とし「獺祭」の言葉が生まれました。

子規のことに話を戻しましょう。子規の世に知られた句です。

柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺

この句の初出は、1895年11月8日の南海新聞。
これより2カ月ほど前に同じ南海新聞に次の句が掲載されました。

鐘つけば 銀杏散るなり 建長寺

投句者は夏目漱石です。
二人は大の親友、松山の愚陀佛庵で起居を共にした仲でもありました。
「同工異曲(どうこういきょく)」とはこのような事柄を指すのでしょう。

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